2026年7月27日
ポイント
●紅藻類ダルスから人工消化で血糖値上昇抑制に関わるペプチドEVYRの同定に成功。
●本ペプチドが広く紅藻類に含まれることを示唆。
●紅藻類を利用した新たな血糖コントロール機能性食品の開発に期待。
概要
北海道大学大学院水産科学研究院の熊谷祐也准教授らの研究グループは、函館市臼尻町から採れた紅藻ダルス(Devaleraea inkyuleei)には、消化によって血糖値の上昇を抑える働きが期待される機能性ペプチドが生成されることを明らかにしました。本研究では、ダルスの主要タンパク質であるフィコエリスリンから、血糖コントロールに関わる酵素ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)の阻害活性を示すペプチド「EVYR」を発見しました。さらに、ダルスから生じるペプチド「EVYR」を定量することに成功しました。また、このペプチドは多くの紅藻類で共通して存在するフィコエリスリンに保存されており、消化によって同様に生成される可能性が示されました。
本研究は、紅藻類を食してタンパク質が分解されることで生成される機能性ペプチドを実際に定量した初めての報告です。本成果は、ダルスをはじめとする紅藻類が、血糖コントロールを目的とした機能性食品素材として利用できる可能性を示すものであり、新たな海藻の高付加価値化や健康食品への応用が期待されます。
なお、本研究成果は、2026年6月3日(水)公開のFood Bioscience誌にオンライン掲載されました。
論文名:Identification of dipeptidyl peptidase-IV inhibitory peptides from red alga dulse (Devaleraea inkyuleei) and quantification of the target peptide from in vitro digested dulse powder(紅藻ダルス由来のジペプチジルペプチダーゼIV阻害ペプチドの同定及びin vitro消化ダルス粉末における標的ペプチドの定量)
URL:https://doi.org/10.1016/j.fbio.2026.109201
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紅藻ダルスの主要タンパク質であるフィコエリスリンに血糖コントロールに関わる酵素DPP-IVの働きを阻害するペプチドを同定した。