2026年7月9日
ポイント
●ニューカレドニアの深海からツキノワガレイ属の1新種と珍しい2種を報告。
●1種の学名に見られた分類学的な混乱を解消。
●ツキノワガレイ属各種の形態的特徴を整理。
概要
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程(研究当時)の小幡光汰氏、同大学大学院水産科学研究院の河合俊郎准教授、及び同大学の尼岡邦夫名誉教授の研究グループは、南太平洋にあるニューカレドニアの深海から採集された魚類標本に基づき、ツキノワガレイ属のカレイの新種を発表しました。加えて、これまで数例しか記録のなかった2種のツキノワガレイ属を同海域から発見し、そのうち1種については学名(世界共通の生物名)に混乱が見られたため、分類学的な整理を行いました。さらに、世界中の博物館・大学に所蔵されるツキノワガレイ属の標本の観察結果に基づき、本属の分類に有効な形態的特徴を改めて整理しました。
インド太平洋の熱帯域は、海洋生物の種多様性が世界で最も高いエリアの一つです。人間活動に対する海洋生態系の脆弱性を評価するためには、基礎的知見として種多様性の情報が不可欠ですが、本海域ではその知見が未だに乏しく、水深200m以深に分布する深海生物ではそれが特に顕著です。ツキノワガレイ属は本海域を中心に分布する深海底生性魚類であることから、本研究は、インド太平洋の熱帯域における深海性ベントスの種多様性の解明に貢献することが期待されます。
なお、本研究の成果は、2026年6月25日(木)公開のJournal of Fish Biology誌にオンライン掲載されました。
論文名:New species and records of the deep-sea flatfish genus Samariscus (Teleostei: Pleuronectiformes: Samaridae) from New Caledonia, Southwest Pacific, with a revised key to species(南西太平洋ニューカレドニアから採集されたツキノワガレイ属の新種と初記録、及び本属の種への検索表の改訂版)
URL:https://doi.org/10.1111/jfb.70527
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