2026年3月11日
ポイント
●コンピュータ上で養殖試験を実施できる「養殖シミュレーション技術」を開発。
●現実の飼育実験と比較したところ、一定の精度で成長過程を再現可能に。
●今後の養殖において飼育条件の事前検討が可能になり、養殖の効率化につながると期待。
概要
北海道大学大学院水産科学研究院の高橋勇樹准教授らの研究グループは、ニジマス(Oncorhynchus mykiss)の成長をコンピュータ上で再現する養殖シミュレーションモデルを開発し、実際の飼育試験データとの比較検証を行いました。
本研究では、魚のエネルギー収支に基づく成長モデルと、魚の遊泳行動を再現する行動モデルを用いることで、魚が遊泳して摂餌量に応じて成長するという、飼育をまるごとコンピュータ上で再現できるモデルを構築しました。併せて、シミュレーションによる成長を飼育実験と比較しました。その結果、シミュレーションによる成長曲線は実験で得られた測定データとおおむね一致し、本モデルが養殖成長の再現に有効であることを示しました。
従来、養殖現場では給餌量や個体数の設定は経験や試行錯誤に依存する部分が大きいのが実情です。本研究成果は、養殖条件を事前にコンピュータで検証することを可能にし、効率的で安定した養殖管理に貢献する基盤技術となることが期待されます。
本技術は現在、サクラマス等の他魚種への応用や、大学発スタートアップによる社会実装を進めており、今後、陸上養殖の効率化につながることが期待されます。
なお、本研究成果は、2026年2月7日(土)公開のScientific Reports誌にオンライン掲載されました。
論文名:An aquaculture simulator for rainbow trout (Oncorhynchus mykiss) based on a fish schooling behavioral model and a dynamic energy budget(魚群行動モデル及び動的エネルギー収支モデルに基づくニジマス養殖シミュレーターの開発)
URL:https://doi.org/10.1038/s41598-026-39028-y
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