11月4日(金)、うしお丸Ⅲ世の竣工披露式を函館市国際水産・海洋総合研究センターで挙行しました。
式典では関係者からの挨拶、祝辞、建造経過報告の他、テープカットや船内縦覧を行い、新船の門出を祝いました。
竣工披露式会場
まず、寳金清博総長からの挨拶では、うしお丸が東北以北の亜寒帯沿岸域での実習を日本で唯一提供できる「海上移動研究室」であるということ、そして少人数の学生に密度が高い実践的な実習を繰り返すことで、深い専門性の涵養や、研究者としての幅広い素養、コミュニケーション能力を身に付けさせることができる非常に優れた研究の場であると述べられました。
そして、今後本学の強みや特色を伸ばし、その社会的役割を果たしていくために、うしお丸をより一層効果的に活用し、大学の機能強化を図っていきたいとの言葉で挨拶が締められました。
新船を「非常にたくましく、その一方でおしょろ丸と比べるととてもキュートな素晴らしい船」と評した寳金総長
次に、池田貴城文部科学省高等教育局長(代読:奥井雅博文部科学省高等教育局専門教育課課長補佐)より、来賓祝辞を賜りました。
祝辞では、水産学部の学生が、乗船経験が豊富な教員や大学院生と一緒に乗船することで、海洋調査の従事者・研究者としての将来図を描くことができる、まさに時代が要請する大学教育の重要な一部をうしお丸が担っていることに感謝の意を表し、今後もうしお丸を十分に活用し、海洋人材の育成、海洋研究の推進、漁業振興に積極的に貢献していただきたいと期待を述べられました。
代読する奥井文部科学省高等教育局課長補佐
続く建造経過報告は、北海道大学水産学部代船建造小委員会委員長である向井 徹教授より行われました。
うしお丸Ⅲ世は全長45.62m、幅8.20m、総トン数は262トン、最大搭載人員は33名。
高い安全性や耐候性の確保、船体動揺の軽減、運行時の低燃費化による環境負荷低減を図っているほか、高度な海洋調査を行うための最新の調査機器を装備し、計量魚群探知機や計量ソナーのような精密音響機器の観測性能を阻害しないよう、防音・防振対策も強化していることが紹介されました。また、近年増えている女性乗船者へ配慮した居住空間の確保など、乗組員が自身の家を建てるかのように細かい工夫を重ねた船であることが説明されました。
向井代船建造小委員会委員長による建造経過報告
当日はおしょろ丸も停泊。船が女性名詞で言われることに触れ、姉貴分であるおしょろ丸と姉妹揃い踏みの様子をぜひご覧いただきたいと述べました。
その後、場所を岸壁に移し、関係者8名によるテープカットを行いました。
左から、森 高志 海洋水産システム協会会長、一柳雅人 新潟造船株式会社社長、工藤壽樹 函館市長、
奥井文部科学省高等教育局課長補佐、寳金総長、都木靖彰 水産学部長、坂岡桂一郎 うしお丸船長、向井代船建造小委員会委員長
最後に都木学部長から「新うしお丸は、人類の共通財産である海洋において、海洋生態系の持続可能性を希求する水産科学と、その関連分野を包括的に教育・研究する実践的なプラットフォームとして、今後も多数の大学・研究機関等との交流・共同研究や調査事業などの教育・研究拠点としての活動を続けて参ります。」という挨拶がありました。
新船の前で挨拶を述べる都木学部長
挨拶後には少人数に分かれ、船内縦覧を行いました。参加者のうち、うしお丸Ⅱ世を知る方々からは「とにかく広くてびっくりした」「揺れが抑えられている」といった感想がありました。
船内縦覧後、インタビューに応じる坂岡船長
インタビューの様子は後日学内メディア「リサーチタイムズ」にて掲載予定。
なお、造船の様子はLASBOS「新うしお丸ができるまで」にて詳しくご紹介しています。
ぜひこちらもあわせてご覧ください。
https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/course/view.php?id=1139
お披露目を終え、夕焼けの中たたずむうしお丸Ⅲ世
■参考リンク