令和7年3月26日~29日に北里大学にて開催された「令和7年度日本水産学会春季大会」において、井尻成保教授が令和6年度水産学進歩賞、富安信助教が令和6年度水産学奨励賞を受賞しました。おめでとうございます!
授賞団体名(Society Name):日本水産学会
受賞日 (Date):令和7年3月27日
賞名(Award):令和6年度水産学進歩賞
氏名(Name):井尻 成保
受賞タイトル(Title):
魚類の卵巣の分化から卵成熟までを制御するステロイドホルモン産生機構の解明
受賞理由:
「井尻氏は卵巣分化開始から卵成熟に至るまでの一連の雌性配偶子形成の制御に関わるステロイドホルモン産生機構を水産有用種を用いて,分子・細胞レベルで明らかにしてきた。特に,卵巣分化の起点となるエストラジオール-17β(E2)産生開始機構,および,卵成熟誘起の鍵となる卵成熟誘起ステロイド(MIS)産生機構を初めて明らかにした研究は,魚類生殖生理学分野においても国際的に高く評価されている。一方で,得られた成果をもとにウナギやチョウザメ類の雌化技術や安定的種苗生産技術の開発に成功し,それらを生産現場に導入するなど,水産養殖業の現場への技術的な貢献も極めて大きく,水産学進歩賞を授与するにふさわしいものと評価された。」

右が井尻 教授
賞名(Award):令和6年度水産学奨励賞
氏名(Name):富安 信
受賞タイトル(Title):
モニタリング技術の併用による重要水産資源の行動生態の多面的可視化
受賞理由:
「漁業の効率化において,対象生物の行動生態学的な知見は不可欠である。富安氏は,最新の音響手法やバイオロギング,光学カメラ等を駆使し,漁業現場に即した行動研究を展開してきた。ニシンの行動を追跡した研究では,本種の水平および鉛直的な分布と産卵回遊生態を明らかにした。タチウオの遊泳姿勢を解明した研究成果は,本種を魚群探知機で定量する際の重要な知見となっている。また,エビかごに対するトヤマエビの反応を水中カメラで撮影して分析し,かごへの出入りと環境要因の関連性を示している。このように富安氏の研究は,効率的・持続的な水産資源生物の利用に大きく貢献したことから,水産学奨励賞にふさわしいものと評価された。」

右が富安 助教