キャンパス・コンソーシアム函館が主催する合同研究発表会「HAKODATEアカデミックリンク2023」が函館アリーナにて開催されました(会期:11月3日、オンライン11月17日~12月17日)。本発表会は、函館市内の高等教育機関で学生らがどのようなことを学び、研究しているのかを広く市民の皆様に知って頂く事を目的とし、特に函館の高校生に内容を知ってもらいたいという趣旨で行われています。ブースセッションにおいて47チーム、ステージセッションにおいて10チームが参加し、北海道大学水産学部から参加の1チームが大賞を受賞しました。おめでとうございます!
◇大賞(ステージセッション)
テーマ:コンブで世界を救う!:水産廃棄物が可能にするサステイナブルな家畜生産への道
チーム名:SEAP
学部4年 辻井 豪佑
所属:海洋生物科学科 海洋共生学分野
指導教員:バウア・ジョン・リチャード 准教授
研究内容
北海道の水産業・畜産業はそれぞれ持続性に問題を抱えており、道南で盛んなコンブ養殖では根株や先端部などの未利用部位が大量に廃棄され、多額の処理費用が計上されています。一方で家畜生産現場では、近年の飼料価格の大幅な高騰や、牛や羊などの反芻動物が排出するメタンガスによる環境負荷が問題となっています。北海道積丹町の農場では生産過程で間引かれるコンブを羊に与えたところ、羊が元気になり、肉質が向上したといわれています。これは、メタンガス排出に起因するエネルギー損出が低減したことや、海藻に含まれる豊富な栄養素を摂取したことによると考えました。そして、褐藻類の摂餌が羊の成長に与える影響を調べるため、海藻試料による動物実験を計画しました。北海道の基幹産業である水産・畜産業の課題の解決を図り、メタンガス抑制・タンパク質不足解消・飼料自給率の向上・飼料高騰対策を可能とするサステイナブルな家畜生産への道筋をつけることを目的としています。
ステージセッション後の授賞式
後日水産学部長より表彰されました