ウニ類の生殖巣肥大にかかわる内分泌調節機構, ウニ養殖に関する研究

ウニは高級食材である一方, 海藻群落を食べつくし ”磯焼け” を引き起す原因として問題視されています。この磯焼けを解決するためには, ウニを排除することが有効とされていますが, 磯焼けのウニは痩せているため商品価値がありません。
そこで, 磯焼け海域に生息している未利用なウニを養殖し有効活用することを目的に, ウニ用配合餌料の開発へ向けた基礎/応用研究を実施しております。
配合飼料の開発において, 可食部であるウニの生殖巣肥大メカニズムを解明することが重要です。ウニ類の生殖巣の肥大は, タンパク質や糖, 脂質などが合成/蓄積することで引き起こされます。このタンパク質の内、主に主要卵黄タンパク質（MYP）の合成/蓄積が重要とされていますが, MYPの合成および生殖巣への蓄積機構は明らかにされていません。
私たちは, ラボでの分子生物学的手法を用いた研究に加え, フィールドでの養殖実証試験を通じ,ウニにおけるMYPの合成および生殖巣への蓄積機構を明らかにすることを目指しています。