おしょろ丸の建造の経緯
北海道大学水産学部附属練習船「おしょろ丸Ⅳ世」(三井造船建造)は昭和58年に竣工し、その後31年の長きにわたり、わが国の海技教育と水産科学の発展に寄与してきた。
この間、海洋環境及び水産業を取巻く状況は著しく変化しており、その変貌に応えるべく、代船「おしょろ丸Ⅴ世」は「世界の水産・海洋分野で活躍する人材の育成」および「海洋生態系の保全と食料資源の確保、持続可能な資源管理」といった将来にわたる水産科学分野のニーズに対応出来る練習船として計画、建造された。
(平成26年7月28日竣工)
おしょろ丸の機能・特徴
本船は、水産科学関連分野の研究と実習に取り組み、この分野で活躍する人材の育成を目指し、また、国内外の大学・研究機関との交流・国際共同研究等に利用し、さらに東日本大震災で壊滅的な被害を受けた現地水産業の復興支援に寄与する目的で計画されている。
これらの利用目的に照らし、世界水準の教育研究を実践する環境が整う「理想の漁業練習船」として、長きに渡って活躍できるよう、本船は、高い運動・耐航性を持った先代の性能を引き継いだ上で、環境負荷低減に配慮し、より高い調査・実習能力及び居住性を持たせるよう設計・建造されている。
1. 実験、実習の範囲
物理海洋学、化学海洋学、海洋生物学、海洋生態学、資源生物学、漁業資源計測学、行動資源計測学、衛星資源計測学、音響資源計測学、水産海洋工学、水産情報・工学・水産増殖学等
2. 漁業の種類
船尾トロール漁業、延縄漁業、流し網漁業、イカ釣り漁業等
3. 主要な調査研究の対象
- 海洋に関する物理学、化学、生物学、生物生産学
- 海況および漁況変動、生物資源の変動、漁場管理学
- 漁具と漁法、漁具設計に関する応用物理学
- 漁船の操縦性能と耐航性に関する研究
- 魚類・頭足類・ほ乳類の生態学、プランクトンの生態学
- 漁業機械に関する能率および安全工学
- 漁業測器に関する水中音響工学、資源計測学
- 魚類の代謝、成長、生殖に関する研究
主要目
主要寸法他
船舶番号 | 142155 |
信号符字 | 7JRM |
長さ(全長) | 78.27m |
長さ(垂線間長) | 70.00m |
幅(型) | 13.00m |
深さ(型) | 5.80m |
計画満載喫水(型) | 5.00m |
総トン数 | 1598トン |
国際総トン数 | 1998トン |
航海速力 | 12.5ノット |
航続距離 | 10,000海里 |
最大搭載人員 (士官12名、部員20名、教員7名、学生60名) |
99名 |
推進装置
推進システム | 推進電動機 1,000/300kWx2基 |
推進器 | 可変ピッチプロペラ(4翼)x1基 |
行程
起工 | 平成25年3月21日 |
進水 | 平成26年3月14日 |
竣工 | 平成26年7月28日 |
建造所
三井造船株式会社 玉野事業所