設備紹介

設備

おしょろ丸の機能・特徴

本船は、水産科学関連分野の研究と実習に取り組み、この分野で活躍する人材の育成を目指し、また、国内外の大学・研究機関との交流・国際共同研究等に利用し、さらに東日本大震災で壊滅的な被害を受けた現地水産業の復興支援に寄与する目的で計画されている。

これらの利用目的に照らし、世界水準の教育研究を実践する環境が整う「理想の漁業練習船」として、長きに渡って活躍できるよう、本船は、高い運動・耐航性を持った先代の性能を引き継いだ上で、環境負荷低減に配慮し、より高い調査・実習能力及び居住性を持たせるよう設計・建造されている。

I. 基本性能

船型及び船体諸性能

  1. 良好な推進性能、耐航性を持たせるため、重心降下に配慮し、また、船首船型はバルバスバウを採用。
  2. プロペラによる起振力及びキャビテーションを抑制するため、船尾にもバルブ型船型を採用。
  3. ソナードームに集中配置された音響調査機器の性能発揮のため、船首形状は気泡の発生を抑制する形状を採用。
  4. 調査観測時における低速航行時操縦性を向上させるため、フラップ舵とバウスラスタを装備。

水中放射雑音の低減

  1. 電気推進(2基1軸)システムを採用。
  2. 調査観測時(船速10ノット以下)において、プロペラはキャビテーションが発生しないように設計。
  3. 船殻構造には制振材を、また発電機には防振支持を施工。
  4. さらに補機・艤装類には低騒音型のものを採用。

居住性の向上

  1. 大型のビルジキール、減揺タンク、格納式フィンスタビライザー採用による動揺抑制。
  2. 電気推進システムを採用したことにより、静粛性が一段と向上。
  3. 女子学生や外国人研究員の乗船に配慮。
  4. 煙害を考慮した煙突形状・配置。

推進・操縦システム

  1. 推進電動機は2速切り替え方式の三相誘導電動機を2基搭載し、冗長性を確保。
  2. 主発電機は3台装備し、通常は2台運転とし、メンテナンス性に配慮。
  3. ジョイスティック操船システムを採用し、調査観測時の多様な操船モードに対応すると共に、省力化を実現。

II. 漁撈・観測・研究設備等

漁撈設備

  1. 延縄・流網漁業実習を効率的に行うため、先代同様、ウェル甲板船型を採用。
  2. トロール用の船尾スリップウェイは油圧起倒式。

研究室等の充実

  1. 用途によって交換可能なコンテナ型研究室を装備。

観測・研究機器の高度化

  1. 左舷側を観測舷とし、集中的に海洋調査観測用機器を配置することで、作業性を向上。
  2. 計量魚群探知機や海底地形探査装置など最新の水産資源・海洋調査機器を搭載。

寒冷地対策

  1. 北方海域の航海に備えたIC級耐氷準拠構造。