うしお丸一世
昭和46年(1971年)3月に研究潜水船「くろしおⅡ号」の母船として日本鋼管株式会社と横浜ヨット株式会社で建造。総トン数97.7トン、主機関ディーゼル294kW、可変ピッチプロペラ装備、乗員12名(乗組員6名、教官・学生6名)の船尾トロール船であり、主として北海道南部周辺の沿岸域で周年海洋に関する物理、化学、生物、及び漁業に関する漁船、漁具漁法、生物資源の生理・生態・漁場学等の実験・実習・調査・研究に活躍した。
うしお丸一世の延長・改造
昭和53年(1978年)12月に潜水船は廃止され、調査船専用となったが、昭和56年(1981年)11月に居住区の改善、耐航性能の確保、及び海洋観測機器と航海計器の充実を図るため、函東工業株式会社において船体延長工事を実施。総トン数107.8トン、乗員16名(乗組員6名、教官・学生10名)となった。同船は漁船の安全性、操縦性に関する研究、生物の挙動、漁具の物理学、水中音響に関する研究、船内作業の安全に関する人間工学的研究に大きな役割を果たした。
うしお丸二世
うしお丸一世の設備が老朽化し、航海及び教育研究に支障が生じたため、平成4年(1992年)9月に、三井造船株式会社と讃岐造船株式会社で建造。 総トン数128トン、主機関ディーゼル735kW、可変ピッチプロペラ装備、乗員19名(乗組員7名、教官・学生12名)の船尾トロールを装備した本格的漁業調査船である。本船は函館近海の内浦湾、陸奥湾を中心に漁業調査・実習に活躍した。
うしお丸二世の延長・改造
北海道大学水産学部では「おしょろ丸」「北星丸」「うしお丸」の3隻体制で長年、漁業調査、実習を行ってきたが、老朽化した「北星丸」が廃船となることに伴い、うしお丸の船体を延長・改造し、船内諸設備の拡充と調査観測機能の向上を図ることとなり、平成14年3月、函東工業株式会社にて船体延長工事を実施。総トン数179トン、乗員33名(乗組員15名、教官・学生18名)となった。同船は北海道南部周辺・津軽海峡・陸奥湾等の海域で、周年海洋に関する物理、化学、生物、及び漁業に関する漁船、漁具漁法、生物資源の生理・生態・魚場学等の実験・実習・調査・研究のための研究調査船として活躍した。