平成19(2007)年、12月16日から19日の日程で、中華人民共和国北京市永定路青塔にある「中国水産科学研究院」本部を訪問した。中国水産科学研究院(http://www.cafs.ac.cn)は、職員約2100人(うち研究職員1200人余り)を有する中国農業部(日本の農林水産省に相当)傘下の水産研究機関であり、沿岸における黄海(青島)、東海(上海)、南海(広州)の3水産研究所、内水面における黒龍江(ハルビン)、長江(荊州)、珠江(広州)、黄河(西安)の4水産研究所と淡水漁業研究センター(無錫)、さらに漁業工学研究所(北京)、漁業総合情報研究所(北京)などの専門的な8水産研究所(・センタ−・室)、4実験ステーション(北戴河、営口など)を統括する大きな組織である。さらに、院内には「中国水産科学Journal of Fishery Sciences of China」の編集部門も有しており、水産学会の本部機関としての機能も果たしている。また、上級研究員の中に、大学院博士課程の指導教員資格者19名、同修士課程指導教員資格者97名を有することから、水産科学関連の大学院生の教育機関となっていることも大きな特色であり、多くの学生が本研究院研究職員の指導を受け、大学院大学としての機能も果たしている。
 今回の訪問の目的は、本年10月11日に、張合成研究院院長(総裁)ほか代表団が、日中韓水産研究機関長会議の帰路に、北大水産科学研究院(函館市)を訪問して頂いたことへのお礼と、今後の北大水産科学研究院と中国水産科学研究院との間の、日中学術交流を推進するための基盤醸成にあり、先ず12月17日午前10時30分より、研究院本部貴賓室において、張院長と英語通訳(李対外合作処処長)を介して、学術交流促進に向けた意見交換を約1時間行った。この席において、張院長より共同研究の計画推進、共同セミナーの実施、若手研究員の相互交換留学等への期待が示された。また、昼食後、北大で学位を得た劉海金博士の通訳を介して、午後2時から3時まで、本21世紀COEプログラムを含めた「北大水産科学研究院の研究、教育、国際交流、産学官連携の現況と今後の課題」について、さらに、午後3時から4時まで、「海洋生命統御におけるゲノム解析とバイオテクノロジー」について、職員、大学院生、合計約20名に対し講演を行ない、北大における水産科学の現状について理解を深めてもらうとともに、本COEの国際的認知度向上の資とした。
 翌18日には、劉博士と今後の学術交流を推進するための共同研究の可能性について話し合うとともに、北京市海淀区北大街にある北海道大学北京オフィス(北京代表処, Hokkaido University Beijing Office)を訪問した。残念ながら鈴木所長は帰国中のため会見できなかったが、武鴻雁代表助理(アシスタント)からオフィスの機能と最近の交流活動、実績について詳細な説明を受けることができた。折角の機会であったので、当方から大学院水産科学院・水産学部の中国における修了者、卒業者の活躍状況、中国の水産系大学との交流状況について説明し、今後の水産科学学術交流への支援をお願いした。
 今回も、短い訪問期間であったが、中国水産科学研究院において、本COEプログラムを含む北海道大学大学院水産科学研究院の研究・教育・社会連携・国際協力における活動状況について詳しく紹介することができ、新たな海外拠点形成に向けた基盤形成の一歩とすることができた。今後、さらなる国際研究協力・学術交流のネットワーク形成が行われることを期待したい。
(文責 事業推進サブリーダー 荒井克俊 大学院水産科学研究院)
 
中国水産科学研究院全景 張合成院長(総裁)との会談
左から二人目:李外事処長、中央:筆者、右から二人目:張合成院長(総裁)、右端:劉海博士 中央:北大北京オフィスアシスタント武鴻雁さん、
右:中国水産科学研究院研究員の劉海金博士(平成9年水産学研究科水産増殖学専攻博士課程修了)
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